ロコモティブシンドローム
2014年11月15日
昨日は、昼休みに近くの企業へ「ロコモティブシンドローム」の啓発講演会へ行ってまいりました。骨粗鬆症や、脊柱管狭窄症、変形性関節症などの運動器の障害のために移動機能の低下をきたした状態を「ロコモティブシンドローム(略称:ロコモ、和名:運動器症候群)」といいます。進行すると介護が必要になるリスクが高くなります。ロコモは筋肉、骨、関節、軟骨、椎間板といった運動器のいずれか、もしくは複数に障害が起き、歩行や日常生活に何らかの障害をきたしている状態です。いつまでも自分の足で歩き続けていくために、ロコモを予防し、健康寿命を延ばしていくことが今後の高齢化社会にはますます大切になってきます。厚生労働省の定める「健康日本21」で「メタボ」に続く今後10年間の重点政策として位置づけられています。
講演会では私からその、「ロコモ」の一般的なお話。その後は当院の理学療法士からロコトレや、実践的なストレッチ方法等を話していただきました。特に、腰痛や膝痛等でお困りの方は多いと思いますが、そこに隠れている可能性がある骨粗鬆症が将来的にいかに重大なADL(日常生活動作)の低下を招くか。骨粗鬆症による骨折自体で命を落とすことはありませんが、それに伴う合併症等やADL低下で命を落とす確率がいかに高くなることなどを強調してお話させていただきました。
せっかく、日本の平均寿命は世界一なのに、寝たきりで寿命を迎えるのは幸福とは言えません。ロコモの啓発運動によって一人でも転倒や骨折による寝たきり患者が減り、国民の健康寿命が伸びればと思います。そのために整形外科医の役割は大きいのではないかと思っております。