PRPとは
血小板がなぜ痛みに効果があるか
PRPとはPlatelet-Rich Plasma(多血小板血漿 たけっしょうばんけっしょう)の略で血液中で血小板を多く含む血漿成分のことです。血小板は古くから、止血にだけ有効とされてきました。最新の研究から、血小板には組織を再生させるための様々なサイトカインが含まれており、その多くは傷を治したり、肌の若返りを促したりする成分として注目されています。
サイトカインとは
サイトカイン(Cytokine)とは血小板等が放出する成長因子を指します。
成長因子は、それぞれの効果として上記の図に示す通り様々な働きをします。
主な働きとしては、損傷を受けた組織を修復することや血管の新生、緊張や炎症を調整する細胞の増殖を促したり、皮膚や骨、軟骨、血管など身体を形作るうえで重要なコラーゲンを産生します。
このような働きを利用し、直接損傷部分に注入し、患部の修復機能を一時的に高めるのがPRP治療の狙いです。
PRP療法のしくみ
変形性膝関節症に対するPRP療法では、患者ご自身の血液からPRPを調整し、患部に注射します。PRP中のサイトカインの働きが変形性膝関節症の痛みの軽減や、損傷した組織の修復に効果があるとされています。注射後3〜4日間は細胞の代謝が活発になるとされているため、軽度の炎症が起こり、痛みや腫れ、発赤を生じることがあります。
適応部位
膝関節(変形性関節症等)
★まずはカウンセリングを
ひとことで変形性膝関節症といっても状態は患者様ごとに異なります。まず主治医のカウンセリングをうけていただき、症状を確認します。効果やリスクを十分ご理解をいただいたうえで治療をお受けいただくことをおすすめいたします。
施術の流れ
-
①カウンセリング
-
②採血
100mlの採血を行いPRP 9ml(3ml/回)を作成します。
- 専門業者に搬送し、PRPを作成します。
- 確実な操作により高い回収率を実現します。
- 高度に清潔な製造室で作成します。
- 無菌検査により万が一の細菌の混入を検査します。
-
③初回は、2週間以上あけて再度ご来院
-
④PRP注入
注射には針を使用しますが、強い痛みを伴うことがあります。また、注射後3~4日間は、細胞の活発な代謝が生じ、軽度の炎症を伴うため、痛みや腫れ、発赤を生じることがありますが、その後は徐々に軽減していきます。
-
⑤注射当日
30分~1時間程度、患部を安静にして頂きます。
帰宅後は激しいトレーニングやマッサージ、禁酒禁煙をお願いしております。 -
⑥経過観察
初回の治療後4週間ごとに2回関節内にPRP注入を行います。
治療効果
また、これまでは、変形性関節症の方に対する治療法としては、痛み止めの内服やヒアルロン酸の注射などを行われてきましたが、既存の治療が無効であった方の中にも、PRPを関節に注射することにより痛みが改善することが報告されております。
PRPはご自身の血液によって組織の修復を促す治療であるため、アレルギー反応、感染などの副作用が少ないのが特徴です。
※PRP療法は現在、保険が適用されない自由診療のため、患者様の治療費のご負担が大きくなります。
※治療効果に個人差があり、患者様によっては、ご満足いく結果に至らない場合があります。
当院のPRP治療の特徴
他院との違い
しかし、作成したPRPの品質のばらつきが大きかったことがわかり、PRPの効果に個人差がある原因の一つに品質のばらつきがあると考えました。
そこで当院では患者様から頂いた貴重な血液を特定細胞加工物製造業者に搬送し、PRPを作製しています。委託企業で作製したPRPは、他社のものと比較し高い濃縮率と高い純度を実現しました。また、無菌試験を行い安全性を向上しています。
血で複数治療分のPRP作製を行い、最大6か月間保存可能で、複数回の治療でも患者様の苦痛を最小限に抑えることが可能です。(治療法によって異なります。)
PRPの技術
当院が採用したPRPは、聖マリアンナ医科大学発のベンチャー企業であるL-CATから技術提供を受けています。
(Laboratory of Cell Applied Technologies, Co;L-CAT)
神奈川県川崎市宮前区菅生2-16-1
聖マリアンナ医科大学 難病治療センター内
治療費
変形性膝関節症に対するPRP療法(3回分) | 150,000円 |
---|
(各種クレジットカード、電子マネーでの決済が可能です)
注意事項
- ・現時点でPRP療法は健康保険が適応されない自由診療のため、治療費は全額自己負担となります。
- ・当院でのPRP療法の適応疾患は「変形性膝関節症」です。
- ・治療効果には変形の程度や、その他の要因により個人差がありますのでご了承ください。
- ・治療を行う前に、医師のカウンセリングによりPRP療法を十分ご理解していただきます。
まずは本治療の適応であるかを診断するために、一度通常の受診をしていただきます。治療の適応
がある場合には、治療日を決めて予約していただきます。 - ※PRP療法は再生医療です。本治療は厚生労働省への届出が受理された施設において、許可を得た医師のみが提供できます。本治療に使用可能なPRPは厚生労働省の認可を得た施設で培養加工したものに限られます。
当院は厚生労働大臣に[再生医療等提供計画(第2種)]を提出し、2019年12月12日付で受理(提供計画番号PB5190035)された医療機関です。