ロキソニンの「重大な副作用」って・・・
2016年03月28日
皆さんもご存じの、解熱鎮痛薬のロキソニン(一般名:ロキソプロフェンナトリウム水和物)の使用上の注意について、厚生労働省が「重大な副作用」の項目に「小腸・大腸の狭窄・閉塞」を追記するよう、改訂指示を出したというニュースが大きく報じられました。
当院も多くの患者さんがロキソニンを服用しており、外来診療でもこのニュースについて多くのお問い合わせをいただきます。タイトルが「重大な副作用」となっておりますが、重大というのは頻度が多いという訳ではなく、起こり得る副作用が重大ということです。医療従事者が必ず読む、薬の「添付文書」上の表現です。実際追加となった副作用は、小腸・大腸の狭窄・閉塞関連とのことで、確かに、起きれば「重大」なのですが、過去3年に6例が報告され、ロキソニンとの因果関係が否定できないため、今回の改定になったとのことです。ロキソニンは1986年に発売され、消炎鎮痛剤の代表的な薬です。現在はスイッチOTC(処方箋なしで薬局で購入できる薬)も発売され、多くの方が服用してきました。その中での6例ということで、決して頻度としては高くありません。実際の臨床的には、消化性潰瘍(胃潰瘍や、十二指腸潰瘍)や、腎機能障害などの方が頻度も多く問題になります。ですので、過度な心配はされず心配な方はかかりつけの医師に相談することをお勧めいたします。