中神クリニック｜神戸市西区の整形外科/西神中央/西神南/狩場台

2012年05月08日

皆さんがご存じの通り、日本の「平均寿命」（男性80歳、女性86歳 2010年厚労省）は、男性世界4位、女性は世界１位です。ところで、「健康寿命」ってご存知でしょうか？　「健康寿命」とは介護を必要とせず健康で自立した生活を送ることのできる期間をいいます。日本の健康寿命は、男性73歳、女性78歳（ 2010年WHO ）と世界一の健康長寿国です。しかし、健康でない期間が約7年もあるとも言えます。医療水準の向上により平均寿命が伸びることは良いことですが、残念なことにこの健康でない期間も延びてきています。せっかく長生きしても、病気を患ったり、寝たきりであったり、痛みを伴ったりしては生きていても生活の質（ＱＯＬ）が著しく低下してしまい、幸福な人生とは言えません。これからの長寿の時代、特に我々整形外科医はこの問題に向き合う必要があると思います。例えば、骨粗鬆症などで転倒→骨折→寝たきり→床ずれ→感染・・・　と、よくあるパターンですが、骨折を起こす前の治療により骨折のリスクを低くすることは現在の医療では十分可能です。骨粗鬆症や、高血圧、脂質異常症といった生活習慣病では、症状のない時から治療が必要になることがあります。痛くもかゆくもないのになぜ治療をしなければならないか、治療しないことによるリスクをきっちり伝えることも我々の大切な仕事だと思います。我々のクリニックに来院する患者さんの「健康寿命」が「平均寿命」に近づくように少しでもお手伝いができればと思っております。