痛風の食事療法
2012年09月12日
今日は痛風に関する研究結果をご紹介します。ドイツのフリードリヒ・アレクサンダー大学第3内科のBernhard Manger教授が学会で発表した内容です。
痛風患者を対象に、特定の食品の摂取量と痛風発作リスクの関連を調査したもの。
主な結果はというと・・・
●肉類(とんかつ、ステーキ、ハンバーグ)の摂取は摂取しない群と比べ発作リスクが上昇する。(相対リスク:1.41)
●魚摂取群の相対リスクは肉摂取群と同等。(相対リスク:肉1.41 魚1.51)
●ビールをはじめとするアルコールの摂取はリスク上昇。(相対リスク:ビール2.51 )
●例外的にワインのみ、痛風に悪影響を及ぼさない。(相対リスク:1.05)
●アスパラガスなどプリン体を含む野菜の摂取では、リスクは上昇しない。
(相対リスク:0.96)
●コーヒーはリスクを著しく低下させるが紅茶は影響なし。
(相対リスク:コーヒー0.41 紅茶0.82)
●果物、フルーツジュース、果糖入り炭酸飲料は悪影響。
(相対リスク:果糖豊富な果物1.64 果糖入り炭酸飲料1.85 フルーツジュース1.81)
●高脂肪乳製品は影響なく、低脂肪乳製品はリスク低下。
(相対リスク:高脂肪乳製品1.00 低脂肪乳製品0.58)
●ビタミンCはリスクを低下させる。(相対リスク:0.55)
アルコールは全て悪影響ではなく、どうしても飲むならワインってとこでしょうか。また、肉も魚も同等に高リスク。野菜はOK。コーヒー、乳製品、ビタミンCはリスクを下げるということです。
よく、我々は患者さんに痛風の人は、「○×は食べたらダメ!」というような否定的な食事指導をしがちですが、「○×なら大丈夫」とか、「○×をお勧めします」といった指導をすることも治療継続の観点からは重要です。そういう意味で、参考になる研究結果でした。
参考までに・・・
※誠に勝手ながら、9月15日(土)は学会出席のため休診とさせていただきます
中神クリニック
西神中央、西神南の整形外科
神戸市西区狩場台3-9-8