「後医は名医」
2012年10月14日
医療の業界で、「後医は名医」という格言があります。これは前に診察した医師よりも、後から診察した方が、診断や治療が的確になるというものです。
前医より後医の方が、より情報が多く、治療やその経過も、後医にとっては重要な判断材料になります。例えばどの薬が効いて、どの薬が効かなかったかなど。後医にとってみれば治療や、診断においては有利な立場なのです。前医で診断がつかなかったことが後医で診断に至ることはしばしばあることです。ですから、仮に前医の先生が違う診断をしても、診断に至らなくてもそのことを悪く言うことはありません。前医の先生あっての後医の診断、治療なのです。医師同士が誤診や、医療ミスをかばいあっているのではありません。もちろん、明らかなミスを発見した場合は、厳正に対処しなければいけません。我々医師は目の前の患者さんに対して一生懸命向きあい、その時点での最善の診断・治療を行っているはずなのです。前医を責めても我々医師や、患者さんにとって何も有益なことはありません。
しかし、前医の診断や治療を患者さんの目の前で悪く言うことで、患者さんからの信頼を手早く得ようと考える先生も極めて稀ですがいるようです。少なくとも自分は、常に「前医」を尊重し、「後医」としてできる限り最善の診断、治療ができることを第一に考えていきたいと思っている今日このごろです。
中神クリニック
西神中央、西神南の整形外科
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