理想的な在宅医療

2012年12月01日

 最近、周辺地域の高齢化に伴い、在宅診療を希望されたり、往診が必要な患者さんが増加しております。西神ニュータウンの中でも先行開発された、狩場台、糀台地区は入居が始まって30年が経過しました。また、戸建て住宅が多いこともあり、近年少子高齢化が著しい地域でもあります。脊椎圧迫骨折、末期がんの看取り、廃用症候群などによる寝たきり、褥創処置など、多くの往診依頼をいただきますが、可能な限り往診による診療を行っております。必要があれば訪問看護ステーション等とも連携をとっております。

 当院は、「在宅療養支援診療所」なのですが、全国1万2000ヶ所ある在宅療養支援診療所の多くは医師が1人しかおらず、物理的に多くの患者さんを担当できず、また24時間体制の対応が負担となっているのが現状です。

 国も、今後の高齢社会において、病院のベッドを増やすのではなく、その受け皿を在宅でカバーするような政策を進めております。人生の終末をできる限り慣れ親しんだ自宅でと考える人が多いのも事実。そこで在宅医療に関わる事業者の連携を深め、事業者同士協力して24時間対応の在宅医療体制を地域全体で作り上げようとする「在宅医療連携拠点事業」なるものも始まっております。やはり、在宅医療は一診療所や、病院単体で完結するものではなく、地域の関係する事業所同士の連携がとれる体制が重要だと思います。

中神クリニック
西神中央、西神南の整形外科
神戸市西区狩場台3-9-8