西宮最新医療フォーラム

2012年04月14日

今日は、最新医療フォーラム「なぜ高い骨密度でも骨折するか?-骨密度・骨質同時評価に基づくビスフォスフォネートとSERMの使い分け-」という講演を聞いてきました。演者は、私が大変お世話になった慈恵医大の斎藤充先生。
骨は「鉄筋コンクリート」の建造物によく似た構造をもっており、鉄筋に相当するのがコラーゲンで、コンクリートに相当するのがカルシウムからなるハイドロキシアパタイトである。そして、隣りあうコラーゲンどうしをつなぎ止める架橋構造(建造物に例えるなら梁やビスのような役割)が骨質・骨強度に影響する。コラーゲン架橋の善し悪し(善玉架橋・悪玉架橋)が、骨の強さを規定する重要な因子である。ということを、初めて明らかにした世界的にも有名な先生です。
糖尿病などの生活習慣病では、高い骨密度でも骨折をきたしやすいことがあり、骨質劣化により骨脆弱化が生じているとのこと。今後は、骨密度測定だけでは診断できないような骨質劣化型の骨粗鬆症も骨質マーカー測定により診断されるようになり、個々の患者さんにあった骨粗鬆症の治療(テーラーメード治療)ができる時代も近いのではないかと思います。
講演会の後は、斎藤先生や、同窓の先生方と色々と情報交換ができ、とても有意義な夜でした。

慈恵医大整形外科 骨代謝班のページ

中神クリニック
西神中央、西神ニュータウンの整形外科
神戸市西区狩場台3-9-8