テリパラチド
2012年06月17日
昨日は、兵庫県整形外科フォーラム学術講演会に出席してきました。
骨粗鬆症の新しい治療薬「テリパラチド(ヒト副甲状腺ホルモン製剤)」について、鳥取大学の萩野浩先生、島根大学の杉本利嗣先生の講演を聞きてきました。
わが国の骨粗鬆症患者は1,100万人以上と言われていますが、実際に治療を受けられている患者はその2割と言われています。現在の骨粗鬆症治療薬の中心は、ビスフォスフォネート(ボナロン、ベネット等)、活性型ビタミンD製剤(エディロール、アルファロール)などが中心ですが、それらの薬剤では不十分な「骨折リスクの高い骨粗鬆症」に適応のある薬剤です。主な特徴としては、
●骨吸収を亢進させることなく骨形成を促進する(どんどん新しい骨をつくる)
●新たな椎体骨折のリスクを減少させる
●腰椎、大腿骨近位部の骨密度を増強させる
●骨密度のみではなく骨質改善作用を有する
といったところです。要するに、今までの治療薬より強力な骨形成作用があるのが特徴です。現在は、低骨密度や既存骨折を有する方や、既に脆弱性骨折を1つ以上起こしている方などが適応となります。
テリパラチドの登場により、骨粗鬆症の治療は新しい時代に入ったと言えるでしょう。重度の骨粗鬆症の方、胸腰椎圧迫骨折などの脆弱性骨折を繰り返され、痛みで困っておられる方は是非ご相談ください。
当院のあじさいは満開です。
中神クリニック
西神中央、西神南の整形外科
神戸市西区狩場台3-9-8