MS研修会
2013年08月29日
本日は、某医薬品卸売会社の医薬品卸販売担当者(通称、MSさん)向けの研修会に講師として参加させていただきました。私に与えられたテーマは「骨粗鬆症の治療薬」について。MSさんとは、製薬会社から仕入れた医薬品、医療材料、医療機器などを、医療機関や調剤薬局に安定供給するお仕事です。販売だけにとどまらず、医薬品や医療全般にわたる情報提供を行うことも大切な仕事です。多くの製品を扱うため、幅広い知識が必要となります。ということで、今回は骨粗鬆症薬について、ポイントをわかりやすくお話しすることを心がけました。とはいえ、自分が十分理解していないと、人にわかりやすく説明するのは難しいですね。スライド作成準備にあたり、自分にとっても新たな発見や良い勉強になりました。
そして、骨粗鬆症の新しい治療薬「デノスマブ」の説明会もありました。これは半年に1回投与する今までの骨粗鬆症薬とは全く異なる作用機序の注射薬で、特定の分子に結合する抗体、いわゆる「生物学的製剤」ということで、とても骨粗鬆症治療に期待されています。最近では「テリパラチド」や、「静注ビスフォスフォネート製剤」など、骨粗鬆症分野には続々と新しい薬が増え、選択肢が増えたことは良いことだと思います。これからは、患者さんの病状(重症度)に応じた薬を選択し、場合によっては組み合わせたりするなど新たな時代に入りました。骨粗鬆症が進行すると寝たきりや慢性疼痛の原因になるなど、患者さんのQOL(生活の質)を著しく低下させ、健康寿命を短くしてしまいます。整形外科医は国民の健康寿命を延ばす上でとても重要な存在だと思う今日この頃です。寿命を迎えるその日まで、元気に歩いていたいですね。お手伝いできれば光栄です!