関節痛と天気予報

2014年01月21日

 よく昔から、天気が悪くなる前に関節痛が増強したり、梅雨時は関節の調子が悪いという患者さんの声を聞きます。現に、私も日常診療を行っていると患者さんのそんな訴えは多く、その「関節痛天気予報」は的中率が高いと実感しておりました。天気と関節痛は何らかの関係があるのだろうと経験的には感じておりました。そんな通説を研究によって明らかにしたリウマチ患者さんの研究が発表されましたのでご紹介いたします。

  気圧が低くなれば、関節リウマチの腫れや痛みの箇所が増えることを、京都大医学研究科の寺尾知可史助教らのグループが明らかにしました。低気圧が近づくと曇りや雨になりやすく、「天気が悪くなるとリウマチの関節が痛む」との俗説を統計学的に確かめられたとしています。グループは、京大医学部付属病院のリウマチ患者2131人の診療データ計約2万3千件を使用。手や腕、脚計28カ所の関節について診療日に把握した腫れたり痛んだりした箇所数と、気象庁が公表した診療日とその前6日分の京都市の気圧や気温、湿度との関係を調べた。分析の結果、気圧が低くなると痛む箇所が増える傾向を確認した。特に診療日の3日前の気圧が最も大きく影響していた。湿度の低下と痛みの増大の関係はわずかで、気温の影響は見られなかった。

 やはり、昔からの患者さんの訴えは正しかったということですね。いつしか全国の関節痛患者さんのネット上の“ビックデータ”を解析した「関節痛天気予報」なんてできる時代も来るかもしれませんね。