膝の水を抜くと癖になるの?
2012年03月20日
おそらく、整形外科をやっていて一番多い質問かもしれません。
膝の水(関節液)は抜くから溜まるのではありません。
関節液は関節の滑りを良くするとともに関節軟骨に栄養を与える粘っこい液体で、正常では関節軟骨表面を潤おすだけのわずかの量ですが、関節の中に炎症が起きると過剰に産生される結果、水が溜まるのです。これを「関節水症」といいます。
これは鼻水に例えるとわかりやすいです。風邪などでは、鼻をかんでもまた鼻水が出てくるように、関節から水を抜いてもまた貯まってくるのです。問題はその原因です。風邪だから鼻水が出るのであって、風邪が治れば鼻水は自然に止まります。穿刺した関節液を肉眼で性状を確認したり、検査することによって、炎症の原因を調べることが大切なのです。そして、その原因に応じた治療をすることによって、水が溜まりにくくなります。
したがって、症状の改善と診断のために関節の水を抜くことは必要なのです。
中神クリニック
西神中央、西神ニュータウンの整形外科
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